計測機器が必要になる理由とは何か
製造業で複数の部品を組み込んで一つの製品を作り上げる場合、最初に規定されている数値や形状通りの部品を作らなければ、組み合わさった時に不具合が生じて使い物にならなくなってしまいます。また、その部品が稼働するようなものでは最初は問題がなくても継続して使用すると衝撃や摩擦で変形し、いずれは故障の原因になってしまうという可能性が高くなるでしょう。このようなトラブルを回避するために部材を加工して一つの部品を製造する際には計測機器で図面と同じ寸法や形状になっているか確認しなければならないので、とても重要な機器と言えます。現在はコンピューターを使って自動的に計測できる機器もありますが、そのようなものは高額になってしまうため、そこまで投資ができない企業は人間が自ら専用の器具を使って計測することが行われています。
ノギスとはどのような仕組みを持っているのか
製造業では実に多くの計測機器がありますが、その代表がノギスです。これは二つの爪上になっている部分を動かして挟み込めば外形の寸法がわかり、広げれば穴などの内径が調べられる仕様になっています。単位は1ミリの100分の1まで調べられるというのがポピュラーであり、それより細かい精度が要求される場合はマイクロメーターという機器を使います。単純な構造になっているので使い方はシンプルで初心者でも基本的な計測方法を教えてもらえれば使用できるようになっていて、古くから現在に至るまで製造現場でよく見かける計測機器でしょう。
ノギスはどうして校正が必要になるのか
計測機器はその使い方や利用する環境で異なりますが、使い続けると必ず正確な寸法が計測できなくなってしまいます。この大きな原因は使われている素材が鉄であり、温度の変化で膨張や収縮といった現象が起きるからです。そのため、一定の周期で校正をして正しい数値が出せるようにしなければならず、精度の高いものほど使う前には実施してから利用しなければいけません。ノギスは単純な構造であり、寸法も他のものと比較すると大きめに設定されているのでそこまで短期間の周期での校正は必要ではありませんが、できれば使用前には必ず校正をすることが望まれています。ただし、この周期については置かれている環境で大きく変化していて、室温が一定でホコリが無いようなクリーンな環境では、一週間に一度といった特定の周期で調べればいいといった緩和策が講じられています。